【 真・善・美 編 】 新カント派の真・善・美 そこで、価値とはなにか? ということになります 新カント派の「真・善・美」を価値とする考えが それこそ真理であるかのように世界に定着しています 新カント派というのは ドイツの哲学者 カント(1724~1804)の思想の復興を 唱えたドイツ哲学の一派です 19世紀の終わりから20世紀初めの第一次大戦前にかけて 彼らの思想は、ヨーロッパ諸国から日本に至るまで 広く影響を与えたとされます 古来より、善と悪、美と醜などに対して 多くの哲学者が論じてきましたが それらのテーマを「価値」という統一的な言葉を使って 考察することをはじめたのが、新カント派であるといいます 「真」は、論理的価値、知性(思惟)・認識能力の対象としての価値 「善」は、道徳的価値、意志・実践能力の対象としての価値 「美」は、審美的価値、感性(感情)・審美能力の対象としての価値 さらに、「聖」(宗教的価値)を置き 真・善・美・聖とし、これらを実現させる行為として 学問、道徳、芸術、宗教を主張する立場もあったようです また、価値というものは、ある人にとっては価値だが 他の人にとっては価値ではないというものですが 【真・善・美】は 各人が、それを認める認めないに関わらず 客観的価値として、世界に存在している というのが、新カント派の主張です なお、カントの価値は、一言でいうと「尊厳」です 【 あらゆる事物は価値をもつが 人間は内なる絶対的価値、すなわち尊厳を有している 尊厳は、いかなる価格を提示されても売り渡すものではなく どんな価値とも交換されるものではない 尊厳をもつゆえ人間は 何らかの目的のために存在するのであって 誰かの目的の手段として使用されてはならない 】 【 この世には大別すると 理性的人間と、非理性的人間(動物的人間)が存在する 前者を「人格」と呼ぶ 善き意志を有している 後者は、絶対的価値である尊厳を有しておらず 相対的価値のみもつ存在である 手段として使用され 値段がつけられ、売買の対象となる者で「物件」と呼ぶ 】 と述べています 【 美・利・善 編 】 真理は価値ではない!! ![]() 一般的な価値の分類 (ひとつ戻る) |
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