【 美・利・善 編 】 真理は価値ではない!! こうした新カント派の価値に対し 真理は価値ではないと論じた人がいます 創価学会初代会長 牧口常三郎(つねさぶろう)氏です 創価学会の「創価」とは、≪価値創造≫を意味しているのです 【 牧口常三郎… 1871(明治4)~1944(昭和19) 治安維持法および 不敬罪(戦争反対と、国家神道よりくだされた天照大神の神札を 拒否するなどしたことが、天皇への不敬とされた)で 昭和18年7月に逮捕、投獄。翌19年11月に老衰と栄養失調のために獄死 】 彼は「人間の目的は幸福になることである ≪価値は幸福の内容≫である」と定義し 「人間のいとなみはすべて価値をつくりだす以外にない」 ≪価値が自己と外界との関係性から生じる 相対的概念であるのに対して 真理は認識の概念であるから幸福の内容にはならない 真理は価値ではない≫と論じました よく、真理を求めることが人生の目的である かのように言われますが そうした幸福と真理を同じように考える立場を否定したのです ここに、お茶があって、これがお茶(真理)だろうと ジュース(虚偽)であろうと 幸福には関係ないですよね 飲んではじめて「美味しい」という価値を得られます 真理は、ものごとを明らかにしてゆくところにあり 価値は、幸福を求めるところにあるということです また、ある絵を観て「美しいなぁ」と感じても もっと美しい絵を観たら、前の絵はそうでもなくなります 1+1の答えが、絶対に、かつ永遠に 2であるように、真理というものは「絶対性」と「永遠性」を持ちます 価値にはそれがありません また、価値は創造できますが、真理は創造できません 一神教の世界では、真理を創造する者がそのまま神です なお、真理は「絶対性」と「永遠性」を持ちます 但し、これには、≪本質を変えなければ≫という前提がつきますよね 真理は「絶対性」と「永遠性」を持つ これに対し 「価値だって、時間を固定すれば 絶対性、永遠性が、確保されているはずだ 2020年6月30日の12時05分に 私が、ケーキAに感じた価値は 未来永劫変わることがないし、絶対性を持つはずだ」 という反論ができます しかし、その2020年6月30日の12時05分に もっと美味しそうなケーキBが現れたと仮定したらどうですか? あなたの価値は変動するのです ケーキAの本質が、変化していないにも関わらず 価値というものは変動するのです これに対し、ケーキAの本質が、変化しない限り 「これはケーキAである」という真理は、絶対性と永遠性をもつのです 牧口常三郎の美・利・善 新カント派の真・善・美 (ひとつ戻る) |
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