緋山酔恭の「価値論」 価値とは? 真理とは? 牧口常三郎の美・利・善



価 値 論


q第一章

価値とはなに?


 




美・利・善 編




牧口常三郎の美・利・善



牧口氏の「価値論」では

"美・利・善" が、価値であるとしています



1、美の価値は

五感を通して得る心の満足です


美味しいとか、楽しいとか

美しいとか、いやされるとか 心地よいとかいうものです




2、利の価値は

生命全体や人の一生を基準とした価値だとしています

お金や仕事などが「利」にあたります



子供の価値生活が主に「美」なのに対し

大人のそれは主に「利」であるとしています




3、善は、善悪の「善」ですが

究極的には、日蓮仏法と結ばれています






なお、牧口さんは、美よりも利

利よりも善を上位の価値としています


美よりも善を上位とするのは

好き嫌いの段階である美の価値にとらわれて

利害を忘れるのは愚かだとしているわけです



人間は得を好み、損を嫌うが

一時的、刹那的な感情でものごとを判断すると

利益をのがして損害を招くということです



アイスが好きだから、食べすぎてしまい

お腹を壊した(害) ぐらいならよいが


仕事、結婚 などといった

人生にかかわる重大事について


好き嫌いにとらわれて

利害や損得を忘れて決断するのは愚かである

というです



むろん、仕事なら、やりがいがあり(美)、高収入で(利)

社会のためにもなる(善)というのが理想です





この価値にランクがある

という考えは、おおむね正しいと言えると思います



ただ2つの視点が抜けています



1つは

価値が主観的なものである以上

価値のランクづけも主観的にならざるを得ない

ということです



例えば、以下の意見なんかがこれです


「なんでも利害で割り切る人なんて魅力ないんじゃないの」



「好き嫌いで決めるのは子どもの価値判断かもしれないけど

人として最低と感じる上司に、利があるからとこびる人より

好きな上司のためにはどこまでもついていく

だけど嫌いな上司には従わないって人の方が、まっすぐでいいいよね」




もう1つは

価値が"必要性"によって生まれてくる以上

価値の順位も、そのときの本人の"必要性"によって決まってくる

ということです



山で遭難した人には

ダイヤモンドよりも水の方が必要性が高くなります




価値は関係性より生じる




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