【 経済学の価値 編 】 経済学の価値 経済学では 「使用価値」と「交換価値」という概念が基本になっています イギリスの経済学者で「経済学の父」と呼ばれる アダム・スミス(1727~90)は 「価値という言葉には、2つの違った意味がある あるときは、ものの効用を示し あるときは、他の財を購入する力を示す」と述べています 前者が「使用価値」で、後者が「交換価値」と言えます 初期の経済学では "水は人間にとって必要だが値段が安い これに対して、宝石はそれほど必要でないが高価である" これを説明することが難題とされていたそうです そこで、水は交換価値は低いけど、使用価値は高い これに対して、希少性の高い宝石は使用価値は低いけど 交換価値は高いという考えが生まれたといいます この理論では希少性で説明していますが 需要に供給が追いつかないなら それだけ交換価値があるということになります 逆に「収集家が減って切手の価値が下がっている」 というように、需要がなくなると交換価値がさがるわけです それから 生産されたものは、使用価値(=効用)をもっているが 主観的な価値にすぎない これが商品になったとき、はじめて客観的な交換価値となる 貨幣経済においては交換価値は、価格として表現される というのが古典派経済学とマルクス経済学の立場です 商品経済とは、自給自足ではなく 他人との交換によって成立している 経済(生産者と消費者の関係)です これには 「物々交換による経済」と 商品の交換を貨幣を仲立ちとして行っている 「貨幣経済」とがありますが 貨幣経済においては その商品がどれだけの価値をもつのかを 価格として客観化できる というのです 物々交換の社会では 商品は、常に変動的、偶然的な比率で交換されていたといいます 例えば、昨日は魚1匹と、りんごが3個交換できたが 今日は魚1匹に対して、りんごを2個しかもらえなかったというように でも、交換比率を長期的に平均化すれば 一定の交換価値が見出されます また、魚とりんごでは、性質が全く違うから本来 数量的に比較することはできないはずです ですが、魚という商品1匹と りんごという商品2個とは同じ交換価値をもつというように 価値として比較できます これは全ての商品に、比較できる普遍的な価値が内在している というのが交換価値の原理で マルクス経済学では この普遍的な価値を「最も根源的な価値」と考えるそうです この他、経済学には 「記号価値」という概念があります これは、商品に内在する価値のうち 「その商品を持っていることが誇らしい」 「その商品を選んだ自分が誇らしい」といった価値です ブランド(高い価値をもつことを示す商標)とか ステータス(社会的な地位や身分の象徴・優越の象徴) なんかの概念に関係する価値ですね それから、同一のモノには、ただ1つの価格しか成立しない 「一物一価の法則」という考え方があります 例えば、東京である車の価格が200万円だったとします 同じ車が、大阪で150万円で売りに出されたとします するとこの車を買いたい人は 東京に住んでいたとしても大阪で買いますよね そうなると、大阪では自動車を買う人が増えて 需要が供給を上回って車の価格は値上がりし 一方、東京では買う人がいないから 供給が需要を上回って価格は値下がります こうして東京と大阪の車の価格は 互いにある水準に近づいていくというわけです ただしこの法則は完全競争市場を前提するものだといいます それと「限界効用」という概念もあります これは、商品やサービスが1単位追加して消費されたとき それに伴って生じる消費者の効用(満足)の増加分です 最初の1杯のビールはおいしいけど 2杯目は1杯目ほどおいしくは感じない 3杯目はさらにおいしいと感じない このように、ビール(商品)が追加されるに従い 、得られる効用(満足)の増加は小さくなる これと同じように、その商品やサービスの供給が増えれば 希少性が減少し、限界効用は減少するとされています マルクス経済学の価値 |
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